編集とは
編集には大きく分けて5つの分野があり、それは新聞・書籍・雑誌・広告・Webの5つです。一般的な業務内容としては、企画立案・企画会議・スケジュールとコストの設定・取材相手へのアポイント・ライターやカメラマンの手配・取材同行・原稿整理・デザインの発注・校正・入稿などがあります。しかし、各企業によって仕事内容は様々で、細かく役割がわかれている企業もあれば、自分でライティングをしたり撮影をしたりする企業もあります。それでは、今回は雑誌とWebの編集業務に焦点を当てていきましょう。
まず雑誌編集の具体的な仕事内容としては、特集の企画出し・リサーチ・ラフひき(おおまかなページ割)・デザインの打ち合わせ・ライターやカメラマンの手配・写真のデザイン出し・原稿チェック・入校作業から校了となります。もし企画担当に当たっていれば、ページの構成や細かなページ割をしつつ、企画を練っていきます。それを元に会議を行い、企画をまとめていくのです。だいたいその期間2カ月。長いようであっという間に時間は過ぎていきますので、スケジュール管理は非常に重要になります。その他にも取材の立ち会いやお店の下見、雑務などもこなしていきます。非常に忙しく、体力勝負な仕事となります。少し前に話題となってドラマ化された「働きマン」も編集の仕事でしたね。寝る暇、シャワーを浴びる暇なく企画案を出し続け、必要とあらばどこへでもすぐに飛んでいく、そんな描写がされていました。皆が皆彼女のようではないでしょうが、体力と責任感が必須だというところは、まさにその通りです。
一方Web編集は雑誌など紙媒体に比べると印刷などがない分ゆとりがあるように感じます。内容にもよりますが、現在はほとんどの企業がHPを持っており、様々なサイトが閲覧できるようになっている為、求人情報のライティングの仕事や、情報提供サイトでの企画や取材、メールマガジンなど多種に渡ります。今の時代は求人を探すにしても雑誌よりもネットで探す若者が大変増えています。将来を見通すのであれば、Web編集はなくなることはないでしょうから、将来性があると言えます。
必要なスキル
出版業界は業務経験を必須にしている企業がほとんどです。特に業界誌や専門誌となると、扱う業界知識や商品知識が重視されることも多く、グラフィックデザインや印刷、Webに関する知識も求められるケースもあります。しかし、Web編集は比較的新しい職種である為、ニーズも多く、未経験にもチャンスがあります。
編集の仕事は多くの人に接し、関わりの多い仕事となりますので、人と接することが好きだということ、これは他のどんなスキルやセンスにも勝る必須項目となります。それに付随してのコミュニケーション力、またいろいろなものへの好奇心も必要でしょう。その他の必要なスキルとしては、企画力や表現力に加えて、スケジュールやスタッフの調整・管理力が挙げられます。雑誌の場合は何企画分も同時進行することが多いので、冷静な判断力や行動力が求められます。
やりがいと大変さ
編集の仕事はクリエイティブな仕事として大変人気がありますが、想像以上に気力・体力が必要になります。多くの人と関わる仕事ですので、その分多くの調整が必要になり、突発的な業務もよくあります。スケジュールを管理し、計画通りにことを進める反面、急きょその計画に狂いが生じても、それに即対応できるフットワークの軽さが求められます。締め切りのあるスケジュールの中で、自分の仕事をこなしつつ、周りのスケジュールに合わせてうまく立ち振る舞わなければいけない、というのは、身体的にはもちろん精神的にもハードワークとなってしまいます。
しかし、自分の考えた企画が世の中に出るということは、それまでの忙しさや大変さを吹き飛ばしてしまう程の喜び・達成感を味わうことができるのです。また、取材の過程で普通であれば出会えないような人々に出会えることも珍しくなく、また新商品・新店舗のレセプションに参加できることもあり、とても刺激的な仕事と言えるでしょう。
ただし、もちろんそれらは業務のほんの一部。大半はデスクワークの地味な作業が多いということは頭に入れておかなければなりません。実際に編集者として働いているA子さんは、全修正を終えて印刷所へ納める日はパニック状態であるにも関わらず、間際に編集長からダメ出しを受けると泣きたくなる、と言います。しかし、そうやって苦労して出来上がった雑誌が書店に並んでいるのを見ると、頑張ろう!という気持ちになるそうです。
やはり、かっこいい・華やかそう・やってみたい、と言った上辺だけの気持ちではできない仕事ですね。何かを作りたい、何かを伝えたい、という強い気持ちがあってこそいい仕事ができ、いいものができあがるのだろうと思います。
将来性
お給料は一般企業に勤めているくらいの平均的なお給料だと言います。派遣の求人を見ると関東圏で平均1600円前後のようです。しかし、その収入は所属する会社によって大きく差があるようです。ただ、忙しさに関してはどの企業も同じで、締め切り前など、忙しくなれば遅くまで働かなければならないなど、不規則な勤務時間になります。
それを考えると、結婚して子供を産んで、そのまま同じように勤めるというのは難しくなります。しかし、キャリアを活かして、フリーのライターとして活躍したり、中には経験を積み独立してフリーとなって様々な出版社の仕事を請け負うなど、ライフスタイルの変化と共に働くスタイルも変えることができます
。
企業の中でアシスタントから始めて編集長まで上り詰めれば、やりがいや責任感は大きくなりますが、忙しさに変わりはありません。いえ、責任感が増える分、仕事は多くなるでしょう。しかし、雑誌を作り上げることを喜びと感じている人には何にも替えることのできない仕事となります。
どんな道を選ぶにせよ、積み重ねてきたスキルやキャリアを色々な形で将来に活かすことができる、そんな仕事です。
転職するには
出版業界の求人はとても少なく、狭き門です。転職と言っても、出版業界の中での転職がほとんどで、その他の方法としては、編集プロダクションを経験した後や知人を介してというものになります。もしどうしても出版社に転職したい!という場合、2通りの方法が考えられます。
1つ目は、この雑誌が作りたい、この会社に入りたいというものがあるのであれば、フリーペーパーなど同じような雑誌や本を作っている会社でその世界を覗き、経験した後に転職する方法です。
2つ目はPCの普及によるネット社会の到来で、新しく確立されたWeb編集という仕事で、編集という仕事の経験を積むことです。Web編集の仕事は現在多くの企業で必要とされており、未経験でも入社できる可能性が高い職種になります。もちろん媒体が違うので、内容も変わってきますが、実りのある経験ができることは間違いありません。初めで述べましたが、たとえ同じ媒体でも企業によって仕事内容は変わってきますから、まずは媒体や企業にこだわることなく、編集という仕事を経験することが一歩としては重要になります。
その世界に足を踏み入れる第一歩としての仕事になにかしらでも就いていると次へつながっていきます。ほとんどが経験者の求人ですが、時として急に人がほしい時など例外もあります。根気よく、着実に前へ一歩一歩進んでいけば、チャンスは必ず巡ってくるものです。
リサーチしたところ、派遣会社のアデコには少しではありますが、期間限定やアシスタントからという、実務経験が不要なものもアップしてありました。一度参照していただいて、閲覧できない求人もありますので、相談に行ってみてください。もしかしたらチャンスがあるかもしれません!
他の方法としては、アルバイトから地道にやっていく方法もあります。先が見えるわけではありませんが、経験として後々重要になる可能性もあります。アルバイト探しの[en]本気のアルバイトも載せておきます。出版業界はアルバイトさえなかなかなく、現在求人案件はありませんでしたが、案件は頻繁に変わりますので、こまめにチェックしてみるのもいいのではないでしょうか。